ハイパーメディア研究会1月定例会・報告

「レポート3:熊坂雅子」
 [キッズスペースURL http://www.interport.net/kids-space/indexJ.html

<タイトル>
キッズスペース・プレゼンテーション

<所属>
キッズスペース編集主幹

<講演者>
熊坂雅子(くまさか・まさこ)

1993年米国コロンビア大学大学院ソーシャルワーク学部入学。臨床児童比較心理 学専攻。Alex Gitterman(対応心理分析.組織行動分析学)、Arthur Lynch(比較 精神分析学)、Martha Dore(児童行動分析学)教授らに師事。
ニューヨークにある障害児治療教育財団(Association for the Help of Retarded Children )、及びコロンビア大学付属プレスビタリアン病院小児精神科にて臨床児童 心理分析者として精神障害をもつ子どもたちへのセラピーを実施。臨床児童比較心理 学の第一人者D. Moreau 医学博士らとプロジェクトを組む。
1995年コロンビア大学大学院社会科学学修士号取得。
同年キッズスペースにボランティア参画。キッズスペース編集主幹として、児童比較 心理学のノウハウを活かしたポリシー作り及び監修にあたり、同時に国境や習慣を越 えた国際的な臨床児童心理分析者をめざしている。
ニューヨーク在住。



1)キッズスペースとは

 キッズスペースは、ビッグウェーブを創造する子供達のためのサイトとして1995年 3月にオープンしました。参加型サイトの意義を活かした活動内容はインターネット上 の優れた教育ページの一つとして各方面から認められ、その参加者とアクセス数は日々 急激な増加をみせています。

2)キッズスペースの利用状況

投 稿 者:現在2才から6歳、世界65カ国、5000人以上
参 加 者:児童生徒、家族、教育関係者、サイトクリエーター、企業、非営利団体、
      政府団体などが中心
アクセス数:95年12/17から12/23日まで 179,346
      一日平均アクセス数 25,000から30,000

3)キッズスペースの活動

 キッズスペースは子供達の作品とメッセージの発表の場であると同時に、国際交流 を深めるための基地となっています。また、それぞれのページには必要なヘルプが用 意されており、コンピュータ及びネットワークに関する知識が楽しみながら広がれる よう工夫されている。
 *ギャラリー:絵の展示
 *ストーリーブック:創作物語の展示
 *豆の木:絵と物語の国境を越えた共同製作
 *オンエアコンサート:音楽の発表
 *ペンパルボックス:Emailペンパルの募集
 *伝言板:質問、意見の発表、迷子メールの捜索
 *アウトサイド:子どものためのサイト案内
 *ウェブキッズ村:子供のホームページ登録所

4)キッズスペースのポリシー

 1.子供達は将来のコンピューターネットワークを支える大切な世代であるというこ
  とを深く認識しています。
 2.子供に動機と自信を持たせ、可能性を見出すことが教育の在り方だと考えます。
 3.子供は完全なものを与えられるより、不完全でも自分自身で何かを創り上げるこ
  とに意欲を燃やすと信じています。
 4.インターネットは、子供達にとって重要で効果的な教育および娯楽の道具として
  活用されなければならないと確信しています。
 5.保護者・教育者の協力はことにコンピューターネットワークの現状では欠かせな
  いものと考えます。
 6.個人的にインターネットにアクセス出来ない多くの子供を応援します。
 7.「どんなカルチュラルバックグラウンドからの子供と家族にとっても心温まるス
  ペース」を目標にします。

5)キッズスペースの作者とボランティアメンバー

 キッズスペースは1995年3月20日に米国ニューヨーク、コロンビア大学の博士過 程に籍を置く大庭さち子によって作られ、個人のホームページとしてスタートしまし た。開設当初から反響を呼び、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアなどの 英語圏からの参加にはじまって、現在は数十ヶ国の子供達によって活発なネットワー クが広がっています。一学生のボランティアワークの重要性を認めたInterport(サー ビスプロバイダ)は一ヶ月後、無料でプログラミングやディスクスペースの提供を申 し出ました。また、6月末からはオンラインのボランティアメンバーをつのり、現在、 アメリカ、香港、日本からのボランティアメンバーの活動によって毎日のアップデー トが行われています。



<発表レジュメ>
I. キッズスペースの概略(5 min.)
   〜「子どもたちのインターナショナルな情報発信の場として」
1. キッズスペースの作者.大庭さち子
2. キッズスペースのポリシー
3. キッズスペースの参加者 (Statistics)
4. キッズスペースの活動の状況 (主な活動)

II. キッズスペース.ビデオ上映(3 min.)* Video 上映

III. キッズスペースのポリシー(12 min.)* Section III よりインターネットを使用
 〜「参加者とともに進化するサイトを」
1. 大庭さち子のヴィジョン:
"Create a Big Wave & Weave the Web"/
"Of the Kids, By the Kids, For the Kids" の実践
a) 子供達の安全性の問題
(http://plaza.interport.net/kids_space/navi/PGJ.html)
b) PGノートの充実
(http://plaza.interport.net/kids_space/navi/atten
dJ.html)
c) こども中心のサイトの維持
「傍観者とならない子供達」
  - ヘルプファイルの充実及びインターフェイ
スの統一
(http://plaza.interport.net/kids_space/navi/step.
html)
         (http://plaza.interport.net/kids_space/story/helpmonth.html)
(http://plaza.interport.net/kids_space/bean/helpB
B.html)
d) 人種、民族、宗教、文化の違いを越えたサイトづくり
(http://plaza.interport.net/kids_space/story_95/1
295.html)
e) 子供達中心のサイトを目指して - 16歳までの年齢制限
 
2. 「迎合ではなく建設的な意見の採用を」
キッズスペースのポリシーの具現と継続的な開発
a)伝言板の導入 (i.e. Katie Hawbold)
(http://plaza.interport.net/kids_space/mail/bulletin
/friend.html)
b)ストーリーブック.クラスワークの導入
                    (i.e. Mr. Stuart Liss) '95/10月

(http://plaza.interport.net/kids_space/story/story.html)
c)ペンパルボックス (i.e. Mr. Dan Hart)
        (http://plaza.interport.net/kids_space/mail/pen/pen.html)
    d)キッズスペース ビレッジ(子供達の質問から)
(http://plaza.interport.net/kids_space/village/villa
ge.html)
e)採用されなかった意見

IV. みんなで作る小宇宙(10 min.)
 〜「みんなで作るキッズスペース」 - キッズスペースによって変わる子供達
1. 「子どもの意見と参加」
a) キッズスペースをクリエイトしているという子供達の
自負 
マンスリースートリーへの月初の投稿状況
子供達のポリシーの理解 - "みんなのためのホームページ" 
ペンパルボックスへの発言 - キッズスーペース.
ポリシーにそった判断基準をもつWatch Dog的な子どもたちの存在

2. 「大人の建設的な意見と参加」
a) スチュアート リスのGEMS や
              コリンズ先生のCollaress 小学校の参加
b) 保護者からの反応
c) 教材としての利用

3. 「ボランティアスタッフの意義」
a) マイケル エルデ (Interport Communications):
    サブミッションフォームの充実を
b) ポール ワーリナー (Parent):
   タイムリーなアップロードを可能に
c) 熊坂 雅子 (Pediatric Therapist):
   キッズスペースのポリシーをさらにパブリック-スピリテッドなものに
   子供達との関係 - 掲載できなかった子供達への対応

V. キッズスペースの将来
A. 子ども中心のサイトの保持
a) 子どもの自主的な活動を継続的に支援
b) 子どもと信頼関係を結ぶ大人の役割

B. 大庭さち子の哲学:
     こどもにはすでに能力がある。大人たちの役目は子供達がその能力に
     気がつく環境を整えることである。
     
     


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